2011年11月10日木曜日

吉本興業、相次ぐ劇場閉館で隠し切れないスポンサー離れ

11月末をもって、吉本興業が運営する「品川よしもとプリンスシアター」(東京都港区)と「京橋花月」(大阪市都島区)が閉館することが発表された。閉館の理由を「来る100周年に向け、劇場事業を再編」と吉本側は発表しているが、関係者は理由は別にあると語る。

「吉本の劇場が黒字でいられるのは、各劇場にスポンサーがついていることが大きい。閉館する『品川よしもとプリンスシアター』には東洋水産、『京橋花月』には味の素がついていた。協賛イベントも多く、スポンサー的にもメリットが大きいため吉本との契約を望む申し出が後を絶たなかったが、今年に入り急にスポンサー離れが進んでいる」(テレビ局関係者)

 スポンサー離れの理由のひとつとして、3月11日に起こった東日本大震災がある。吉本に限らず、こんなご時世にお笑い系のスポンサーになっている場合ではない......とバラエティー番組などからスポンサーが離れているというのだ。9月に開催されたコント決定戦『キングオブコント』(TBS系)では、これまで「オロナミンC」の冠がついていたが、大塚製薬がメインスポンサーから離れてしまったため、今年は冠なしでの開催となった。そしてさらに吉本を悩ませているのが、8月に突然発表された大物司会者・島田紳助の引退劇だ。

「ヤクザとの交際があることで紳助を解雇したものの、その前にも中田カウスなどの騒動もあったため、"吉本=ヤクザとの繋がりがある"というイメージが企業の間で定着してしまった。そこでスキャンダルを避けたい企業が、吉本との契約解除を求めているんです」(前出のテレビ関係者)

 このような状況のため、全国にいくつかある吉本のこの他の劇場も閉館に追い込まれるのでは......と若手芸人の間で心配する声があがっている。

「品川、京橋に先駆け、『ヨシモト∞ホール大阪』が9月末に閉館しているんです。実は、渋谷にある『ヨシモト∞ホール』から大塚製薬がスポンサー撤退するため閉館するらしい......といううわさが数年前からあるため、若手芸人たちは戦々恐々としています。吉本の劇場はスポンサー収入がなければ赤字の劇場もあるだけに、このままスポンサー離れが進めば引退に追い込まれる吉本芸人が大量に出ますよ」(劇場で活躍する若手芸人)

 紳助の引退における影響は、まだまだ吉本に大きな影を落としそうだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿