2011年3月24日木曜日

「さんまは気の毒だった」バラエティー収録より義援金を優先するビートたけしの想い


芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 東日本大震災の影響で、バラエティー番組の収録見合わせが続いているが、ビートたけしも「被災者のことを考えたら、バラエティー番組を録ってる心境にはならない」という複雑な心境だと事務所関係者から聞いていた。地震、津波もさることながら、たけしは昨年、自ら柏崎刈羽原子力発電所に視察に出かけたり、「新潮45」(新潮社)では内閣府の原子力委員会委員長の東大名誉教授の近藤駿介さんと対談したりするなど、原発に深い関心を持っていた。それだけに、福島第一原発事故には心を痛めているのでは、と思った。

 そんなたけしと、3月18日の夜に偶然会った。


 開口一番、「オイラ、東京スポーツ新聞の客員編集長をやっているから、所ジョージと500万円ずつ、東スポを通じて被災地に1,000万円の義援金を送ることに決めたよ」と言った。伝え聞いていた通り、「バラエティー番組を撮る心境にはなれないよ」とも言い、16日に放送された『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)について、「視聴者からかなりのバッシングを浴びたらしいけど、局の都合で放送されただけで、さんまの本意じゃない。あれは、さんまが気の毒だよ」とさんまをフォローした。原発事故については「大変な問題だよ。これから、どうなるのかと思うと仕事も手につかないよ」と複雑な心境を覗かせた。

 4月には北野武監督の『アウトレイジ2』のクランクインが予定されていたが、「延期だね。1年先になるかも分からない。でも、出演者全員が、いつでもスケジュールを空けて待ってると言ってくれたんだよ。うれしいね」と、撮影が無期延期になったことを語った。

 18日には、今年1月知り合った沖縄の宮永英一氏とも連絡を取った。宮永氏は、筆者が昔からの大ファンだった伝説の沖縄ロックバンド「紫」のドラマーで、昨年6月に日本のハードロックミュージシャンとして初の東久邇宮文化褒章を受賞。同時に、紫も復活させたアーティストだ。沖縄では、18日から吉本興業が主宰する「沖縄国際映画祭」がスタートしたが、並行して開催される「沖縄国際アジア音楽祭」が東日本大震災の影響で中止となった。この件が気になり、宮永氏に連絡を取ったのだ。

 「沖縄国際アジア音楽祭」は、沖縄ロック協会会長を務める宮永氏らが中心になって、"音楽の島"と言われる沖縄の一大イベントとして、昨年スタートした。
宮永氏は電話口の向こうで「今こそ、沖縄ミュージシャンの総力を上げて、震災の援助をするとき。音楽祭は中止ではなく、形を変えて4月に延期。そこから8月まで、毎週日曜日に那覇市の国際通りの歩行者天国でストリートライブを開催して、義援金を募る運動を始めます。前民主党参議院議員の喜納昌吉さんもミュージシャンとして参加します」と熱い思いを語ってくれた。音楽祭は東日本大震災被災地救済を目的にしたチャリティーライブ「EARTH AID」として開催されるというわけだ。
 宮永氏によると、「沖縄は"ゆいまーる(共助と意味)"の精神が宿っている島でもある」という。東北から一番遠い沖縄ミュージシャンたちの音楽を通じて"ゆいまーる精神"が届くことを期待したい。

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