2011年4月21日木曜日

リニア中央新幹線は直線ルート、地震でも「安全」 国交省小委が答申案

国土交通省交通政策審議会の中央新幹線小委員会(家田仁委員長)は21日、JR東海のリニア中央新幹線整備計画について、同社が希望していた東京と名古屋をほぼ直線で結ぶ南アルプスルートの採用などを認めた答申案をとりまとめた。今後、一般からの意見を募集する。

 リニア中央新幹線は、JR東海が開発した超電導リニア方式を採用し、最高速度時速500キロ、東京~名古屋を約40分、東京~大阪を約67分で結ぶ。2014年に建設着工し、27年に東京~名古屋間で開業、45年に大阪まで延伸する計画。建設費用約9兆円は、JR東海がすべて負担するという。

 これまでの議論では、東京~名古屋間のルート選定をめぐって、JR東海が直線ルートを主張してきたのに対し、長野県などが県内を大きく迂回(うかい)する「伊那谷ルート」の採用を求め、対立してきた。小委員会では昨年、費用対効果の点で、直線ルートが妥当との結論を出し、今回の答申案でも支持した。

3月11日の東日本大震災以降は、超電導リニア方式の耐震性などが議論となった。4月14日の委員会でJR東海側は、同方式でも地震時は在来の新幹線と同様、発生から90秒程度で停車できることや、各種の安全策でガイドウェイ側壁から脱線しにくいことなどを説明。委員会ではこれを認め、答申案でも「在来新幹線と比べ安全確保上の大きな利点がある」と太鼓判を押した。

 自治体が全額負担となっている途中駅の整備について、答申案では「国の関わり方も含めて調整が行われることが望まれる」とし、具体的な負担割合などには踏み込まず、火種を残す形となった。大阪までの早期開業については「具体策を検討すべき」との付帯意見を付けたが、JR東海側は資金事情などを含め、慎重姿勢を見せている。

0 件のコメント:

コメントを投稿